
| 京都市国際交流会館10周年記念事業 「国際交流活動支援セミナー」 | ||||
| 多文化・異文化・どんなんか? -つなごう、広げよう、心のネットワーク- | ||||
| 第1部 基調講演/第2部 意見交換会 | ||||
| 「資金調達の方法について」 | ||||
| 第2部 意見交換会「資金調達の方法について」 | ||||
| 講演主旨: | 外国籍市民支援活動を中心に、社会における民間団体の意義と役割について考える。各助成団体の事業評価等についての報告を基に、民間団体が助成団体の視点を知るとともに、これからの活動方針、資金調達の方法等について検討する。 | |||
| コーディネーター: | 龍谷大学教授 富野暉一郎氏 | |||
| 参加報告団体: | 日本財団 青柳昌光氏 (財)庭野平和財団 笹川佳央氏 (社)京都市社会福祉協議会 盛武希氏 | |||
| 事例報告講師: | 多文化共生センター代表 田村太郎氏 | |||
| 内容: | 1. 各団体から助成事業の報告 2. 質疑応答 3. 事例報告(かつて助成を受け助成金を有効に使用している団体の事例を報告をする) 4. 質疑応答 | |||
| 意見交換会 | ||||
| 富野 | それではさっそく第2部を開催させていただきたいと思います。各団体の実態について順番にお話しいただきまして、ご質疑等を受け付けていきたいと考えております。まず日本財団の青柳さん、お願いします。 | |||
| 青柳 | (日本財団) 私ども日本財団ではNPOやNGOを支援しましたボランティア支援部というセクションを5年前にもうけまして、こちらのセクションで助成をさせていただいております。これまでの日本財団ボランティア支援部が支援をした実績、在日外国人支援をおこなっている民間支援団体へ助成金を出した団体の数についてですが、平成6年度から始まって、7、8年と増えて、9年度はちょっと減っております。10年度が減っている理由はわからないのですが、11年度はまた増加しています。9年度が減っているのは、全体的に申請の数が落ち込んだという事情もあって、それに比例しているものだろうとしか推測はできません。 要綱の中に審査の概要というのがあり、その中の選考基準に基づいて、申請の書類やそれに係わる資料がきちんとつけられているかを調べます。そして全部読んで精査したうえで、今度は申請いただいた団体の担当者にどのぐらいの成果が見込めるかを電話でヒアリングをおこないます。書類だけの審査はほとんどおこないません。その結果が役員会にかけられるのですが、役員会で逆転されるということはほとんどなく、ほぼ事務局の担当者の裁量で決められます。 選考基準は4点あるのですが、私どもが期待しているのは、「その活動が現時点で社会的に必要とされていて、将来的にも社会に対して貢献ができるような成果が見込まれるような活動かどうか、またそこでやろうとしている地域が受け入れてくれそうかどうか」です。申請いただいた事業の実施前にどのぐらいの見込みがあって、実施して報告書をいただく時に実際おこなってみてどうだったか、そういった事前の評価と事後の評価を重要視しています。「企画立案や実施体制、資金計画において具体的かつ十分な検討がなされているか」や「事業実施に要する経費に対し、期待される成果が適当であるか」に関しては、あまり要求しても仕方がありませんので、できていればなおよしという感じです。 それから、「提言活動に終始するだけではなくて、実践的な活動となっているか」ということも重要なポイントになっています。よく調査・研究だけをして報告書をまとめて提供するというのがありますけれども、長いスパンだとそれもいいかもしれませんが、助成をする側からするとわかりづらいものが多いので、実践的な活動が伴っていない提言活動というのは、非常に優先順位が低くなってしまうというのがあります。 | |||
| 要綱の中に審査の概要というのがあり、その中の選考基準に基づいて、申請の書類やそれに係わる資料がきちんとつけられているかを調べます。そして全部読んで精査したうえで、今度は申請いただいた団体の担当者にどのぐらいの成果が見込めるかを電話でヒアリングをおこないます。書類だけの審査はほとんどおこないません。その結果が役員会にかけられるのですが、役員会で逆転されるということはほとんどなく、ほぼ事務局の担当者の裁量で決められます。 | ||||
| 選考基準は4点あるのですが、私どもが期待しているのは、「その活動が現時点で社会的に必要とされていて、将来的にも社会に対して貢献ができるような成果が見込まれるような活動かどうか、またそこでやろうとしている地域が受け入れてくれそうかどうか」です。申請いただいた事業の実施前にどのぐらいの見込みがあって、実施して報告書をいただく時に実際おこなってみてどうだったか、そういった事前の評価と事後の評価を重要視しています。「企画立案や実施体制、資金計画において具体的かつ十分な検討がなされているか」や「事業実施に要する経費に対し、期待される成果が適当であるか」に関しては、あまり要求しても仕方がありませんので、できていればなおよしという感じです。 それから、「提言活動に終始するだけではなくて、実践的な活動となっているか」ということも重要なポイントになっています。よく調査・研究だけをして報告書をまとめて提供するというのがありますけれども、長いスパンだとそれもいいかもしれませんが、助成をする側からするとわかりづらいものが多いので、実践的な活動が伴っていない提言活動というのは、非常に優先順位が低くなってしまうというのがあります。 | ||||
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| 笹川 | (財)庭野平和財団) 庭野平和財団は1978年に設置され、その後、昭和53年から、研究に対する助成と活動に対する助成活動をさせていただいています。今回は活動に的を絞って説明させていただきたいと思います。 | |||
| 対象は「宗教的精神に基づく社会活動」で、要するに一般的なボランティアです。いわゆる平和構築の取り組みということを抽象的なことで表現しています。実際的には教育、社会奉仕、開発協力、環境、実験、高齢化、地域における共生のための支援活動、そういったものが含まれています。 | ||||
| 申請者の資格としては団体や個人、どちらでも構いません。国籍、法人云々も問いません。ただし、1年につき1件のみの申請に限ります。非採択の場合は1年に何回でも申請していただいて結構です。公募は、活動助成については1年間に2回おこなっています。今年は前期が3月15日から4月30日、後期が7月1 日から8月13日とさせていただきました。 | ||||
| 選考の方法、基準につきましては、庭野平和財団の場合は選考委員会というのがあって、申請書を元に意義ある活動であるかないか等々を含め、厳正考査させていただきます。申請してくる申請書ほとんどのものは意義ある活動ばかりですので、その中からどれを選ぶか四苦八苦している状況です。そして、活動助成の場合は4名の選考委員会が事前に検討した申請書を元に議論により採否を決め、そのうえで金額を決定するというやり方をしています。選考委員会というのは非公開ですが、実際に活動してらっしゃる方を含めて、有識者でさせていただいています。 | ||||
| 申請用紙の内容ですが、一般的な団体の沿革、ニーズ把握にいたるまでの背景、活動方法、予算だて、それらの内容について所定の書式に書いていただきます。その申請用紙を元に、どういう団体であるか、活動のニーズの具合はどうか、具体的にそれができそうな方法なのかどうか、予算は団体の規模にあっているのか、等々を検討させていただいて、採否を決め、額を決定させていただくという形式をとっています。 例えば、在日外国人の法律相談活動をおこなうという申請の場合、申請書の書き方ひとつで意見が非常に割れる場合もあります。「不景気にともなって在日外国人の問題が悪化しているので、法律家による擁護は大切だ、継続して助成すべきだ」という意見、逆に「外国人に対する人権補助をおこなう意義は大きいけれども、うちが助成しつづけなければ継続できない助成は手を引いた方がいいのではないか」という意見、そういう感じで、いろんな立場から申請を検討させていただいています。 実際に我々が助成させていただいている関西の外国人支援の団体としましては、「多文化共生センター・きょうと」、「町づくり国際交流会」、これは奈良の団体です。それから「兵庫区定住外国人生活交流会」、これは阪神大震災の関係ですけれども、そういった団体があります。 | ||||
| 最後に競争率をあげさせていただきます。今回、前期の申請件数が72件で、採択件数は10件。競争率は7倍以上です。後期が申請件数が95件で採択件数が 11件。じつに競争率は10倍となっています。こういう状態になりますと、非採択になるのが普通で、採択されるのは奇跡に近い状態になっています。市場低金利による影響で、出す側も非常に窮々として、ほとんどこれで限界という気持ちでさせていただいているのが現状です。ニーズが増えているにもかかわらず、それに応えられないというジレンマで苦しんでいるというのが助成財団側の心情です。 | ||||
| 富野 | ひとつだけちょっと気になっていたんですけど、「宗教的精神に基づく」ということが申請書上に記されていないといけないんですか。 | |||
| 笹川 | それは関係ないです。宗教的バックグラウンドをもっていないといけないとか、宗教的根拠があった活動でなくてはいけないとか、そういうことは一切問題ありません。 | |||
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| 富野 | それでは次に京都市社会福祉協議会の盛武さん、よろしくお願いします。 | |||
| 盛武 | (社)京都市社会福祉協議会) 「助成財団一覧」を見ていただければわかるんですけれども、毎年私どもには、年間を通じて20以上の財団からの助成の応募ご案内というのがきております。社会福祉協議会というところですので、高齢者や障害者、児童関係の分野の助成の案内がくるんですけれども、最近ではNPOの支援といった助成の案内を、京都市内の皆さんに情報提供していくという役割をさせていただいています。方法としては、国際交流協会さんや、その他ボランティアを推進している団体さんへ、助成の応募の募集がきていますという形で紹介させていただいています。 | |||
| これとは別に、ただ情報を提供するだけではなく、財団さんのなかには京都市社会福祉協議会の方で市内の申請をいったんとりまとめてほしいといわれているところもあります。例えば「大阪ガスグループ福祉財団」は、高齢者の在宅支援であるとか、なんらかの高齢者分野で活動しているボランティアの皆さんへ支援をしている財団ですが、こちらの場合は、京都市内で活動している団体の申請はいったん社会福祉協議会でとりまとめて、それを財団の方へあげていただきたいといわれています。また、「社会福祉医療事業団」は、高齢者、障害者、子育てという分野の助成をおこなっていますが、こちらは私どもの方で推薦審査委員会というのをもうけて、ある程度調整をして申請させていただいています。 | ||||
| 自分ところでは何もやっていないのかいう質問がでるかと思うんですが、地域福祉活動の推進ということで、京都市内で活動していらっしゃるボランティアグループに助成事業をおこなっています。1団体2万円と少額ですが、財団さんでは絶対通らないような、経常的なちょっとした運営に係わる支援をさせていただいています。 こういった促進事業もそうですが、私どものやり方としましては、国際交流協会さん、YMCAさん、ユースサービス協会さん等々、ボランティアを推進している団体に広く広報し、各行政区のボランティアセンターを通じて募集を呼びかけています。また、直接私どものところの方にご相談があった場合には、随時ボランティア活動の情報提供をさせていただいています。 | ||||
| この仕事をしていて思うのは、どういった支援を必要とされているのかアンテアをはりめぐらせていないとわからないということがあります。今こういうことでお金がなくて困っている、こういうことをしたいという要望や情報をアピールしてもらえれば、条件にあう助成財団の紹介を随時、逐一、ご案内できるのではないかと思っています。また、新規で各地域で何か活動したいとか、活動のことで困っているということがありましたら、各行政区にボランティアセンターがございますので、ご利用、ご活用いただくのはひとつの方法だと思います。 | ||||
| 富野 | 先ほどの話で、調整をして絞り込んでというお話がありましたが、確率は高くなるんですか? | |||
| 盛武 | 具体的に申しますと、社会福祉医療事業団というのは厚生省の外郭団体ですが、優先順位という形で推薦枠が決められています。ですから、ある意味でこちらにまかせていただいていますので、責任をもって推薦審査委員会を開いています。京都市内で審査させていただいて、それを通過しましたらほとんどだいじょうぶだと思います。ただ若干、国の予算の関係で、推薦枠全部が助成されない場合もあります。 | |||
| 富野 | 今まで提供団体の方からお話をいただきましたが、今度の多文化共生センターの田村さんは申請する方、まさに皆さんと同じ立場で、秘術を公開してくださるみたいです。よろしくお願いします。 | |||
| 田村 | (多文化共生センター) 私は阪神・淡路大震災の時に被災をされた外国人の方へ多言語で情報提供をするボランティア団体に立ち上げの時から携わってきまして、まもなく5年になります。5年間にどれだけ助成申請書を書いたことか。ほぼ毎月何本かずっと書いてきました。最近は共生センター自体もスタッフやボランティアの数が増えましたので、私自身が助成金の申請書を書くということはずいぶん減りましたが、5年間の私の仕事というのは申請書を書くことと報告書を書くこと、これが非常に多かったわけです。今日はその経験談をお話しします。 助成金というのは財源のひとつだと思います。在日外国人支援をおこなっている団体にとって助成金って一体何だろうかという話からしたいと思います。 | |||
| 3年前、当時毎年1回、箱根で国際交流の担い手の全国会議というのがありました。10年間やっていて今はやっていませんが、その時におこなわれたワークショップが、皆さんの参考になるのではないか思います。私自身これに参加をして目からうろこがいっぱい落ちて、以後、助成金申請書の書き方がずいぶんうまくなったと感じています。 | ||||
| 皆さん申請書を書かれる時に、財団に問い合わせをして資料をもらうと思います。でも、だいたいそれっきりです。その後申請書を書くまでに財団に電話をすることはおそらくないでしょう。一生懸命考えて一生懸命書く。そして出して、ああだめだったというのが常だと思うんですね。私もそうだったんです。そうじゃなくて、聞くということ以外に相談に行く。これが大事です。財団の方もおそらく歓迎してもらえると思います。共生センターはいろんなところに助成申請を出して、いろんな助成を得ているので、どういうふうに書けば通るのかという相談をよく受けるんですけれども、それは直接財団に聞いてもらうのがいちばんだと思います。 | ||||
| ポイントは4点ぐらいあると思います。まず、それぞれの団体のミッション、活動内容、その形態によって財源はそれぞれ違うということを考える必要があります。つまり、皆さん方の活動が、助成金によって運営されるのがよいのか、他の財源を考えた方がよいのかというのを、それぞれの団体の中でじっくり考えてみた方がいいと思うんです。毎月毎月、目先の助成財団に申請書を書くということではなくて、それぞれの団体の活動形態やミッションに応じて、助成金申請をするのが本当にふさわしいのかどうかということを一度考えてみるというのが大事ではないかと思います。 | ||||
| 私の個人的な考えとしては、互助的な組織というのは、やはり会費をとって運営していくのがいいだろうし、定例で長期的な活動というのは、助成金よりはむしろ安定的な財源を確保した方がよいでしょう。助成金というのは1年、長くて3年です。たいていの助成金というのは1回きりです。ですから定例で長期的な活動というのは、本当は助成金に向かない。立ち上げ期は助成金というのは非常に使いやすいのですが、それを長期的に続けていくとなると受益者負担、あるいは行政との連携が必要になります。高齢者福祉であれば厚生省の財源がありますし、海外支援とNGOは外務省の支援があります。けれども、私たちの外国人支援という仕組みには、政府からの助成はほとんどありません。これはきちっと提言して、こんなに必要があるのにどうして出さないのかということも一方で呼びかけています。そうなると、先駆的で期間限定のものが助成金には最適だと私は考えます。 | ||||
| 二番目に、助成金とは何かということを確認してください。多くの助成は事業費にしか適用されません。どんな小さな団体でも連絡調整をしたり、ミーティングをしたりということが必要です。しかし、そういった経費はでないことが多いので、組織が安定していないうちに大きな助成金をもらうと、組織のもちだしが多くなってしまうわけです。それから事業費の一部しか助成されない、2分の1とか、あるいは100万円の申請書を書いたけれども80万しか通らない場合も多いです。そうすると、その20万はどこからか調達してくるか、事業そのものを80%に圧縮しないといけないわけです。そうなると団体の基盤が脆弱な場合は、事業をきちっとやるために体力を消耗してしまうということになります。大きな額のお金は魅力的ですが、安易に助成申請してとってしまうと、長期的に見た時、団体自身の体力をそいでしまうことになるんじゃないかと思います。 | ||||
| 三番目に、申請の時、団体のいろんな活動のうち何がふさわしいのかをきちっと吟味するということです。対象者がはっきりしていて、一定期間の中に効果が数字で見えるような内容の方が望ましいようです。いいことをしているからお金をくださいというのでは絶対でません。対象者が誰で、こういう事業内容で、この期間が終わったらこういう効果があがりますというはっきりしたビジョンがあれば、助成金の獲得は確実だと思います。 最後に、事業の担当者が自分で直接申請書を書くのがいちばんいいと思います。それと所定の書式がある財団というのがあります。テスト問題じゃないですから、そこに穴埋め式に書式を埋めていくのではなく、自分たちがやろうとしていることをどんな紙でもいいからいっぺん書いてみる。そして整理をしてから書式に書くことです。 | ||||
| 結論ですけれども、小手先の技術でうまいこと書いたから通るというものではないと思います。やはり客観的に見ても要請があって、きちっと効果測定が報告できるような事業を申請されているかということです。ですから、書き方よりも事業内容、いかにストレートに表現できるかということではないかと思っています。 | ||||
| 富野 | 私もいろいろな助成申請を研究の方でやっていますけれども、共通することが多いですね。何を目的にしているのか、そして具体的に測定できるかどうかということは、あとの評価でわかりますから、すごく大事なところだと思います。 | |||
| 今日はせっかく助成の方と申請の方、両方ともいらっしゃるわけですから、いい機会です。助成したいんだけれどもどうかなと思ったり、こういう助成をしたけれどもどうしてとれなかったのかとか、いろいろな経験もあると思います。そういうなかで日頃感じている疑問や質問について出していただければありがたいと思います。 | ||||
| 質問 | 「日中文化交流を進め、中国帰国者を支援する会」の方で日本語教室をやっております。私たちの日本語教室は、いわゆる中国残留孤児・婦人とその呼び寄せあう声を聞いて帰国された、呼び寄せ家族対象の日本語教室なんですけど、本当に資金面で大変な思いをしています。カンパを300名から20~30万、もっと集めたかもしれません。そうして集めてやってきたんですけれども、事業評価と言われた時、私たちの場合は、どうやって進歩をはかることができるのかというと非常に不安なんです。例えばこれだけじょうずになりましたというのは、それぞれ個人差がありますし、また教室としても必ずしも一定の人数ではなく、減ったり増えたりしながら、また寒くなると生徒がこなくなったりとかいろいろあります。そこらへんもくわしく教えてほしいと思うんですけど。 | |||
| 富野 | 評価にかかる問題もありますと思いますので、青柳さんから。 | |||
| 青柳 | 他人がみて客観的にわかるのがいちばんわかりやすいということですが、何もそればかり求めているわけではないんです。日本語を教えてらっしゃるということですから、個人差がもちろんありますし、それぞれの事情で毎回通ってくる方、途中で来ない方、たくさんいらっしゃいます。個々のレベルも違いますから、そこまで要求するのも無理な注文ですし、それをやってくださいというのも大変です。 | |||
| ですから、計画の段階では、現在このぐらいの方々が日本に帰国されて、また永住されて、このぐらいのレベルの方々が言葉に不自由されている、このぐらいのニーズがある、自分たちの教室が定期的に開かれれば、このぐらいの人たちが通えるようになるという希望値でかまわないんです。ただし適当な数字でなく裏付けされた数字です。大変言葉の不自由な人がいるらしいから開こうというのではダメです。やはり綿密なニーズの調査というのは必要です。そして実際やってみて、その数字にいたらなくても、ダメでしたねということでは決してないんです。継続性をもっておこなえたということ自体を私どもは評価したいと思うんですね。毎週決まった時間にきちっとトレーニングされた日本語教室が毎回教室を開いていたということだけでも、そのグループがおこなった事業として評価に値すると思うんです。数字という話が出ましたが、サンプルをいくつか取り出して、実状がわかれば非常にいいかと思いますが、私どもの場合はそこまでは要求はしません。 | ||||
| 笹川 | 少なくとも財団の側というのは、これをやって、現実にこういうふうに増加がありましたという面ばかりを期待しているわけではありませんし、それだけを評価するというものでも決してありません。どちらかというと、短期・中期・長期な評価が必要になってくると思います。短期では全然成果が出なかったけど、長期的に見たら成果が出たとか、短期では成果が出たけど、その後ずっと下降気味とか、そういうこともありますので、評価というのは一概にいえないと思っています。 | |||
| ただ今お話を聞いた限りでは、通ってらっしゃる方々に対して、この活動を経てどうだったかみたいな感想を聞くレベルになるかもしれませんけれども、どっちかというと内部評価の方がかえって必要なのではないかと思われます。財団に対する訴え方もそのへんのところが評価の指針になるのではないかと感じました。 | ||||
| 富野 | ひとつは状況をきちっと把握する、自分がやろうとしていることがどれぐらい広がりをもっていて、どういう対象があるのかを、まず明確にするということですね。それから、組織的かつ長期的な視点でプログラムがあって、それを実行する力があるか。そして、その活動によって対象になった人たちがどういう状況になっていったか。単に技術レベルがアップしたということだけではなくて、生活の中でどういう満足度が増えてきたか、その人の生活にどういうふうに広がっていったか、それらのことを含めた評価が重要だと思います。そういうふうに考えてほしい。そういう意味では、評価というのは多面的におこなわれるということですから、これさえあれば絶対に大丈夫だというものではないし、逆にこれはちょっと弱いからもうおしまいということでもないと思います。他に何かご質問はありませんか。 | |||
| 質問 | 京都市ユースサービス協会です。これは助成財団におたずねしたいと思います。田村さんのお話にもありましたが、先駆的なものが助成金でまかなうのにふさわしいというのはわかるんですけど、現実には何か新しい事業を立ち上げたいと思った場合に、まったく単年度で単発だけでというのはむしろ考えにくい場合が多いんですね。少なくとも3年ぐらいは試行的にやってみたい、5年ぐらいかけてやりたいというのが我々の中にはあります。逆にそういったものを単年単位の助成だけでまかないきれないからと二の足を踏むことが多いんです。何か手だてはないのでしょうか。もしくは私たちは数年度にまたがるようなものがあるといいなと思っているんですが、そういうことに関して何かお考えなり、ご意見があればおうかがいできませんでしょうか。 | |||
| 富野 | どうでしょうか。今度は笹川さんの方から。 | |||
| 笹川 | 聞きながらちょっと涙腺がゆるんでしまう、心が痛んでしまうような質問でございます。本当におっしゃる通りだと思います。何か立ち上げる準備も1年間ぐらい必要ですし、始めたら3年ぐらい必要になると思います。合計4年か5年ですね。これを本当にきちんとサポートするのであれば、財団側も4年か5年ぐらいの余裕をもってやらなくてはいけないと思います。さらに、お金だけではなく、人的ネットワークをつくったりすることができれば完璧だろうと思います。しかし、現実には今、本当に緊縮予算で、毎年この時期になると来年度の予算を思案しているという状況で、そこまででききれていないというのが現実のところです。すみません。 | |||
| 青柳 | この要綱に書いてあるかぎりでは単年度ごとの支援となっていますが、内容によってはできます。日本財団の場合は、予算の使い方が他の助成財団さんに比べると比較的恵まれている方ですので、そういった先駆的で、非常に社会的に意義があるというものに関しては、だいたい3年が多いのですが、期間や100万円という限度額を超えて支援をするということもあるんです。ただ、支援させていただいている件数というのは、今年度では今の段階で430件あって、今後、緊急の支援があったとしても、たぶん440件ぐらいで終わると思います。そのうちに2年、3年続けてプログラム支援があるのは、ほんの4、5件で、1%あるかないかです。また、そこに行き着くまでは非常に長い事前相談や調査が必要になります。別途ご相談となりますから、応募期間に限らず、いつでも来ていただきたいと思います。ただし、3年でしたら、中期的な目標を立てていただいて、単年度ごとの助成金の支払い、単年度ごとの結果の報告と評価というのを続けていって3年間という形になります。 | |||
| 富野 | 今日来ていただいてよかったですね。申請は1年単位ということが多いですから、そう思ってしまうんですが、今のお話を聞くと、非常に狭いけれども継続した支援もあるということですね。 | |||
| 質問 | 100万円を1年にもらっても、逆にそれを使い切るのは難しいというのもあります。1回に100万でなくていいから、25万ずつ4年分にしていただくとか、そんな制度もあるといいなと思いますけど。 | |||
| 青柳 | これはどこの財団もそうなんですけれども、予算の施行が年度ごとになってますよね。約束はできないんですけど、25万ずつ4年に分けるというのは、多分システム的にはできると思います。ただ年度ごとに申請していただいて報告というのが4回ありますから、お互いの事務作業を考えると、1回で4年間という形にした方がいいのかなという感じもします。 | |||
| 富野 | きちっと相談した方がいい場合もありますね。田村さんはそういうところをかいくぐって、長期、あるいは中期のものももってきたという実績があると思うんですけれども、そのあたりどうでしょう。 | |||
| 田村 | 数からいくと、申請する方が圧倒的に多くて、助成される方が選ぶという感じなんですけれども、本当はある意味で我々は顧客なんですね。だから、逆に要望はした方がいいと思うんです。私たち自身が何か外国人に対してサービスをしている時に、受けている側の人からいろいろ要望があがってきたら、皆さん方がやっている活動自体がよくなるでしょう。それと同じで、助成財団さんは助成プログラムを使う側の私たちの側から、こう直してほしいということをリクエストしていく。実際に、こちらからリクエストすることで財団がもってらっしゃるプログラムが変わっていくこともありました。今あるルールにのっとって申請するだけじゃなくて、うるさいお客さんになって、ここを変えてほしいということを言っていく。その方がお互いのためにプラスになるんじゃないかと思います。 | |||
| 富野 | 財団というのは、社会的に意味のある活動を進めることが目的ですから、社会の実際のニーズに対応するということは非常に大事なことなんですね。実際、各財団の助成の仕方というのは、時代によってずいぶん変わってきているという歴史があります。そういう意味では、皆さんからのいろんな要求というのは、社会が何を求めているかということを前面に伝える非常にいい情報にもなるわけです。かなり早く変わるケースもあるんですね。ですから、助成してもらうんだという立場ではなくて、情報を提供するという意味も兼ねて、いろんな要望を出していった方がいいんじゃないかと私も思います。 ところで、行政の方ではどうなんでしょうか。行政もいろんな助成措置を各団体、例えば市民活動に対してやっているケースがありますが、京都の場合はどうなんでしょうか。 | |||
| 盛武 | 直接的に行政のお金がグループへという形では助成されていらっしゃらないと思うんですけれども、京都市から私どもが補助金として預かって助成させていただいているものとしまして、ボランティア活動をする際の保険があります。一般市民のグループに対して、一人あたり300円かかるところを100円の請求ということで、200円助成いただいています。ボランティア活動を促進していこうという京都市の考えから、幅広いボランティア活動をする際に、安心して活動するためにいちばん必要と思われる保険に関して助成をしています。 | |||
| 富野 | 国際交流協会の方はどうなんですか。今そういう仕組みはあるんでしょうか。 | |||
| 国際交流協会 | 京都市国際交流協会の方では最高で20万という額で助成をしています。 | |||
| 富野 | やはり単年度ですか? | |||
| 国際交流協会 | そうですね。特にこういった外国籍市民の支援については、計画的な支援が必要なんですが、今の状況だと単年度ごとになっています。それをどういうふうに変えていこうかということをいろいろ考えています。 | |||
| 富野 | 私の方で行政の助成措置をいろいろ調べたことがあります。じつは都道府県レベルでの国際活動に関する市民活動助成制度というのは、各都道府県すべてではありませんが、あります。都道府県も単年度の助成というケースが多いんですけれども、例えば東京都、その他5つぐらいの都道府県では、3年程度の長期プロジェクトについて受け付けるということをやっています。ですから、必ずしもいわゆる助成団体ではなくて、行政サイドの助成制度も皆さんのいろんな活動の支えとして使っていただける部分もあるんじゃないかと思うんですね。皆さんの方の意識も行政はやらないんじゃないかというのがあって、気にされていないようですけれども、社会的要求が出てくれば、行政にもある程度の可能性も出てくるんじゃないかと私は考えています。 | |||
| 質問 | 私たちは日本にいるフィリピン人妻の相談を行っています。日本に来ている女性たちというのは多国層ですよね。助成は得られるのですか。 | |||
| 青柳 | だいじょうぶです。助成の対象になります。今日お渡ししている資料はボランティア支援という日本の国内に存在しているボランティアグループ、NPO、NGOへの助成制度のシステムです。ですから、十分対象になります。それと外国で行うNGOやNPOについても国際部というセクションがあります。これはかなりハードルが高く、金額も高いので、非常に門戸は狭くなってしまいますが、そういうシステムもあります。国際部の話はおいといて、今お話いただいたフィリピン人妻と言われている問題は、ボランティアサポート支援活動の対象になりますので、ぜひ応募していただければと思います。 | |||
| 富野 | 笹川さんの方から何か付け加えることがありましたら。 | |||
| 笹川 | うちも対象内です。具体的に、日本にいて外国人をサポートしている活動もありますし、逆に日本人が外国にいって現地をサポートしている場合もあります。英語の資料もありますので、請求していただくといいと思います。 | |||
| 富野 | よかったですね。実際の例もありますから、安心して申請できると思います。他に何かご質問はございますか。 | |||
| 質問 | 京都YWCAと申します。京都YWCAでは91年からエイジアンピープルトゥギャザーいうグループをつくりまして、在日外国人のための電話相談活動をしているんですけれども、2点お聞きしたいことがあります。 | |||
| ひとつは今ここでお話があがっているのは、単年度、中期的、長期的なものも含めて事業に関するものなんですけれども、やはり普段の活動を通していちばん必要なものは運営資金です。京都YWCAも会員制度をとっていまして、歴史的に長い活動をしているんですけれども、会員数の減少は大きな問題で、どうやってこれから会費を集めていくかということに苦労しています。事業ではなくて運営上の資金調達の方法で、何かアドバイスをいただけたらと思います。 | ||||
| もうひとつは、私の立場とは直接関係ないんですけれども、日本財団さんや庭野平和財団さんはずっと以前から財団としてNPOの支援活動に向かっていますが、最近、社会貢献としてNPOへの支援活動を始められている企業がいくつもあると思います。どういうNPO活動が今注目されているかとか、社会的ニーズがどういうものであるかということについて、経験が少ないのではないかと推測するんですけれども、そういう企業が社会貢献するための受け皿のようなものは原則としてどれぐらい整っているのかという疑問がありまして、お答えいただければと思います。 | ||||
| 富野 | 悩ましい問題と難しい問題と両方出ていますね。それでは受け皿については、田村さんの方がいいでしょうか。悩ましい問題は、申請する側もそうですし、助成する側も非常に悩むところですね。では笹川さんの方から。 | |||
| 笹川 | これはすべての財団がこう言うと思うんですけれども、助成財団としては、運営費、例えば人件費や賃貸料などを単年度式の助成財団に頼ることによって、それが出せなくなった時にその団体の活動を支援しきれない、つぶしてしまうみたいな恐怖感があります。そういうことから、あくまでも事業に関する支援を行い、運営の部分は何とかしてくださいという意識が強いのです。もし我々が手を引いた場合の道義的なものを考えると、そのお金は踏み込めないというのが財団としての見解です。 | |||
| 青柳 | 笹川さんとまったく同じです。財団が運営費を助成することは、同じような理由で、日本財団の場合でも99%ありません。例外は若干あるんですけど、ないと思ってください。では、運営費や経常費は助成金には頼れない。どう調達したらいいんだろうというご質問ですね。今YWCAの方では会費による運営をしているけれども、会員が減少しているという話でしたけれども、なぜ会費を納めてくれる会員が減ってきているのかというのをもう一度検証してみたらいかがでしょうか。別にYWCAがいいとか悪いとかいう話ではなくて、自分たちが今おこなっているプログラムや存在がその地域でどれだけ理解されているのか、評価されているのかということを振り返ってみて、それが会員の減少に何か原因があるのではないかということをもう一度検証されてみた方がいいのではないでしょうか。そして、会員になろうとか応援してあげようという個人や企業を発掘していく努力をしていってくださいとしかお答えはできないんですけれども。 | |||
| 富野 | 私もこの点について、世界中でどうなっているか調べたことがあるんです。運営経費について助成しないというのは、かなり理由があるんです。先に笹川さんがおっしゃったように、偽装型になってしまうからです。つまり、その助成が切れたとたんに、その団体も活動できなくなってしまう。それから自分たちの力で自立的に目的に沿って活動をするよりも、助成する財団の意向にそった活動をする方向になっていってしまうという弊害が非常に強いんですね。そういうことで、基本的に各財団は運営費は出さないのです。 | |||
| 事業費についても2分の1補助の場合もあるし、全額補助の場合もあります。じつは2分の1の補助というのも理由があるんです。よく国際社会でも援助をやって、3年たって援助が切れるとまったく元へ戻ってしまう、何も残らないというケースが多いんです。それはなぜかというと、事業費を全部人に頼ってしまって、自分たちが汗をかかないからです。人からもらったものだけでできてしまいますから、自分たちで残したものがなくなって、結局継続する力がなくなってしまうのです。なおかつ自分たちで汗をかかないとわからないという主体性の問題がすごく重要になってくるんです。実際活動する場面はボランティアでやっていますから、つらい問題ではありますけれども、そこのところを消そうと、こういう形になっているのです。 | ||||
| もうひとつは、外国で政府のプロジェクトに民間が参入している場合、活動している人たちの人件費を全部入れてしまう、つまり事業費の形をとりながら、事業費の中に人件費も入っているというケースもよくあります。そうすると、ひとつの団体のために普通の事業費の倍かかってしまい、全体の助成の件数が減ってしまいます。だとしたら、自分たちで行って全部まかなうから、とにかくやりたいというところに数多くやってもらう方が全体的には利益が大きい。活動する人たちにとっては悩ましい問題ですが、全部補助したからよくなるとは必ずしもいいにくい現実があるからではないかと思うんです。 | ||||
| 田村 | ちょっとだけ付け加えさせてもらうと、まったく経常経費はみないで、事業費だけというのはきついものがありますね。私が最近あちこちで提案しているのは、事業費の10%なり20%なりを、アカウンタビリティーコストとしてのせるということです。申請書を書いたり、報告書をそろえたりするためには、費用がかかるわけです。そのコストが通常事業費の中に入っていないんです。団体がもちだしでやらないといけない。海外の緊急救援を専門にやっているNGOなどは、多いところだと25%ぐらいはとっています。そこまでいくとすごいですけど、10%ぐらい、例えば100万円の事業費があれば10万円、それぐらいが望ましいのではないかと思っています。 | |||
| それから企業の社会貢献は、今はもう下火です。お金がないからです。物ならいただけます。受け皿としては、経団連の企業社会グループで、ワンパーセントクラブというところがあります。ワンパーセントクラブに加入している企業に情報提供してもらったり、逆に企業が外国人支援をやりたいという時には経団連を通じて情報が入ってくるということもあります。関西だと、ピックアップホールというネットワークというのがあって、関西電力さんが幹事をされていると思います。そういうネットワークでいろんな情報提供をお願いすることができます。ただ、今企業からのお金の支援は非常に難しく、ほとんどゼロに等しいですね。経団連のワンパーセントクラブの推薦団体といって、全国100社ぐらい回った人がいるんですけれども、1社の寄付もなかったと聞いています。 | ||||
| 富野 | ついでにお聞きしておきたいんですけど、今情報ということについて言われましたね。助成団体については、かなり情報が一般的になっていると思うんですけれども、企業の助成については、まだ情報が一般的になっていません。例えばインターネットでアクセスできるとか、そういう状態になっているんでしょうか? | |||
| 田村 | 企業によってはホームページの中で、社会貢献の部門というページをもってらっしゃるところも多いですし、そこから他社にリンクをはっているところもありますから、1カ所見つけたら芋づる式に見つかります。かなりの企業で社会貢献をやっています。積極的にPRされていますので、ホームページがいいだろうと思います。 | |||
| 富野 | そういった情報がもう少し行き渡ると違った面も出てくるかもしれません。企業にとってもどういう要望があるかということについて、そういうところから知ってくることもあると思いますので、積極的にアプローチした方がいいかもしれませんね。 | |||
| 質問 | 私は「飛魚ボランティアサービス」という団体の者です。私たちの団体というのは、留学生、あるいは外国人の日常の生活を支援しましょうという、かなり直観的なところでスタートしています。先ほどのYMCAの方の話と関連するものなんですけど、事業に対しての助成は出るけれども、団体としての運営費が出ません。アメリカのNPOだと、ボランティア活動の他に自分たちがいろいろなことをやって資金を集めてくるということがあると聞いているんですが、私たちもボランティア活動を始めた時、留学生を紹介して翻訳・通訳をやって資金をつくって、それを回して、助成金がなくても自分たちでやっていけるという強気でスタートしたんです。多文化共生センターの方でもいろいろお世話になったんですが、まずボランティア団体を教育する側があまりないというのがひとつです。 | |||
| もうひとつは、留学生が集まってボランティアをしようということで、おもしろいんじゃないかと日本人はいっぱい集まってくるんですが、翻訳・通訳で資金をつくっていることで、営利団体ではないかという批判を受けて、去っていくということがあったんです。それなら、この団体は分けなければいけないかなということで、「飛魚インターナショナル」と「飛魚ボランティアサービス」の二つに分けたんです。インターナショナルは資金をつくって、そこの何%かをボランティアサービスに回す。日本人にわかりやすく説明しないと手伝ってくれないというのがあって、そういういろんなプレッシャーを受けました。運営資金は助成金からまかなえない、自分たちで調達しようと思ったら、社会から理解されない、そういう矛盾したことがあるんじゃないかと思います。 | ||||
| 富野 | 飛魚ボランティアサービスは事業活動は非常にきちっとやってますよね。私も助成寄付金だけじゃないと思いますが、日本にはそういう仕組みがなかなかなかった。これは社会福祉協議会はどうですか。 | |||
| 盛武 | 福祉の場でも、ボランティアは無償という昔からのものもありますけど、ボランティアしたくても交通費がないから参加できないという話もよく聞きます。そういった場合に、ボランティアグループが会費でつくられるという場合もあります。事業に参加される方から参加費を集めて、活動している団体も増えてきています。例えば配食ボランティアということで、食事をつくって届けているところなどは、無償ではとてもできません。必要な材料費をいただいて活動をしています。理解していただくまでにはいろんなことを言われることも多いと思いますが、このお金は団体を運営していくために必要な経費に使っている、営利目的でないということを、地道にアピールしていくことだと思います。 | |||
| 富野 | ボランティアという考え方にかなりいろんな幅があるんですね。それでそういう問題が起きるんだと思うんですけど、田村さんは実際にやっているうえでどうですか? | |||
| 田村 | むしろ若い人はNPOというのはお金が必要だと言っています。ボランティアというよりは奉仕活動というニュアンスで入ってこられる方が多いと思います。あと最近、全国のNPOのサポートサンターには、財政や人材の情報などをプールしているところがあります。そういうところのもっているノウハウや情報がうまくこのテーマとひっついてくればいいんですけど、なかなかギャップがありますね。 | |||
| 質問 | 私が「飛魚ボランディアサービス」をつくろうと思いついたのも、日本のボランティア活動に反するような組織をつくろうかなというのがありました。それはなぜかというと、私も8年間ずっと京都で留学して、ボランティアというのは無償でやってくれて、あまり彼らの苦労をわからないんですね。でもお金を払うことで、ボランティアを受ける人たちが、やっている側も苦労しているということがわかります。日本のボランティア活動は無償という意識があって、私も皆どこからお金をもらってるんだろう、何で皆こんなにお金がほしいと言うんだろうと思っていました。そういうことを思わせないようなボランティア活動はないのかなということでやっていったら、それが批判に終わったり、なかなか理解してくれないことがすごく多いのです。運営費が助成金でもらえるのなら、まったく無料のボランティアでやってもいいけれども、助成金からはもらえない。事業に対してはお金をもらってるけれども、事務所の家賃などは払ってもらってないというアピールがあれば、なぜお金を取っているかということも理解してもらえるかもしれません。そういった情報が日本ではあまり一般化されていなくて、新聞にもでない、何もでないというところがどうかなと思っています。 | |||
| 富野 | 今はNPO法ができて、社会の意識も変わろうとしてますよね。だんだん変わってくると思うんですけれども、先にやってしまうと必ず波を受けますから、そういう意味でいちばん先にやられているところが苦労されていることだと思います。 | |||
| この問題については、NPO法が寄付について税金控除を認めていないということが大きいと思います。これが認められると、運営費あるいは経常経費については税金の控除があるので、かなりの部分はできるところがでてくるかもしれません。 | ||||
| NPOにしろボランティア団体にしろ、やはり収入源はなければいけないわけです。しかし、少し収益事業みたいになってくるとおかしいと言われます。これは時代の問題じゃないかと思うんです。ボランティア団体といえども具体的な活動の中で、収益部分や事業費を生み出していくような方策をもう少し考えてみてもいいと思います。それを今やってらっしゃるわけですから、先駆的な試みとして、ぜひ続けていただきたいと思います。こういった活動が社会の仕組みを変えていくと思います。その他に付け加えることはありませんか。 | ||||
| 青柳 | NPO法が施行されてもう1年ですが、徐々に市民の意識も変わってくるはずです。そう願いたいです。私どもが5年前にボランティアの支援と始めた助成制度が、今はNPOの支援もやっています。どこがどう違うのか、どこまでが営利でどこまで非営利かと言われても、支援している我々にもなかなか説明がつきません。これが日本の世の中を変えるひとつのきっかけになる、すごく大きなセクターになるかもしれないという期待があるから、助成を続けていくわけです。我々もこういう理由で皆さんの経常運営費を支援することはできないんです。しかし、アカウンタビリティーコストの提言や、収益事業をおこなって当たり前だというような動きをしていただきたいし、私たちもそういう声をあげながら助成をしていかなければいけないと思いました。近い将来、そういうふうに意識が変わってくると思います。 | |||
| 富野 | 例えば「日本野鳥の会」とか「ゼロゼロエフジャパン」などは、明らかにそういうことをやってますよね。でも誰もおかしいと言ってないと思うんです。日本でもだんだんそういうことが定着していくかなと私も思っていますので、どうぞもう少しがんばってみてください。 そろそろ時間も定まってまいりましたので、最後ということで受け付けたいと思いますが、いかがでしょうか。 | |||
| 質問 | 「多文化共生センター・きょうと」の松岡と申します。先ほどお話では全体的な助成までの流れでしたけれども、実際に受けている身としましては、報告の方が非常に気になります。報告に関してまして、どのような報告書を望んでおられるか、何かありましたらうかがいたいと思います。 | |||
| 富野 | 受け取るまでが必死になっていて、報告書のことはあまり皆さん必死にやりたくないというのがあるんですけど、大変ですよね。お一人ずつお願いします。 | |||
| 笹川 | 庭野平和財団に関しましては、報告書全部読み切れてない部分もありますので、そんなに心配していただかなくて結構です。しかし、去年から助成報告集が復活しましたので、そのへんは考えていただいた方がよいかと思います。 | |||
| 財団の専門的な見地からいたしますと、やはりいちばん気になるのは、お金をどう使ったかということと、どういう活動をしたかということです。1年前に出した申請書どおりに活動するのは、ほとんど不可能だと思いますので、それは臨機応変にありのままを書いていただければ結構だと思います。 | ||||
| 青柳 | 我々も申請の段階での書類が先行となっていますので、1年後にあがってくる何百件という報告書を見ているかというと、見てないんです。ただ、どういったお金がどういうものに使われたのかという経費については当然チェックしています。よほど変なものに使われていない限りは、予定どおりにお金を使ってなくても大丈夫です。また、費用対効果という部分、100万円でこれだけのことができるといって、実際どれだけの効果がでたのかもポイントになっています。その書き方ですが、一人よがり的な感情的な文章ではなく、よかった点、悪かった点を含めて客観的に報告されていると読みやすいと思います。こうだったからここはできなかったと記されていると、次また申請がきた時には助成をしてみたいという気持ちになりますし、あまり手前みそで、いい報告書がでてくると、それで1 回きりというのもあります。 | |||
| それと毎回重点的に私どもが支援しているテーマや分野というのがあります。在日外国人支援は来年度の重点項目のひとつなのですが、そういうものや、先駆的なプログラムをおこなっている事業に対しては、ホームページに紹介するということも考えていますので、テキストもできているぐらいの報告書になっているとありがたいです。 | ||||
| 富野 | どうぞご安心くださいということですね。本当に皆さんにいろいろ具体的な活動内容に則したご質問をいただきまして、大変ありがとうございました。盛武さん、田村さん、何か付け加えることがありましたら、最後にまとめということで少しお話いただければと思います。 | |||
| 盛武 | 私の方は福祉という面でかなり重点を置いてきました。でもこれからは国際的な視点というのをもっと勉強していかないといけないと考えています。今後もし何か地域で集まりをしたい時に、場所的なこと、機材的なこと、その他の面でご相談等がありましたら、先ほどお渡ししました各行政区のボランティアセンターがございますので、ご相談いただいたら何かのお役に立てるかもしれません。よろしくお願いします。 | |||
| 田村 | 助成申請書を出す前にいろいろ躊躇されることもあると思うんですが、とにかくいっぱい書いて、いっぱい応募して、何がだめだったかをそこから学んでいくことが大事だろ思います。もっとどんどんトライして、そのなかでこちらも成長していくということもあるだろうし、受ける側もちょっと変わってきたなという印象をもたれることもあると思います。砕ける前に当たってみましょう。 | |||
| 富野 | どうもありがとうございました。前半は、かなり理論的なお話で、ボランティア活動、あるいは市民活動の重要性、そういうお話をさせていただきました。そして後半では具体的な実践の中でボランティア活動といえどもお金はやっぱりなければいけない。その中で具体的な手法を含めて、皆さんの考えてらっしゃること、あるいは疑問についていろいろお話できたことは大変よかったと思います。この会が今後皆さんの活動に少しでもお役に立てればどんなに幸せかと思います。今回出席いただきました皆さんに拍手をしていただきまして、この会を締めさせていただきます。どうもありがとうございました。 | |||